2018.07.13

戸建と借地権の兼ね合いについて

スタッフからのお知らせ・日記


戸建と借地権の兼ね合いについて

戸建てを探していると、「借地権付き」という戸建てを、ときどき目にすることはありませんか?これは、土地に所有権ではなく、借地権が設定されている物件のこと。「安いしいいかも♪」と思っても、「借地権ってなんだかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、借地権についてまとめてみました。


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■借地権ってなに?

借地権は、「建物の所有を目的とする、地上権または土地の賃借権」のことです。建物を建てることを目的としていて、地主から土地を借り、地代を支払います。簡単に言うと、土地を優先的に継続して借りることのできる権利のことになります。また、借りる人の事を「借地権者」と呼び、貸す地主さんのことは「借地権設定者」や「底地人」と呼びます。

戸建には、地主から借りている土地に、建物がある「借地権付き建物」と、土地が借りた物ではなく、建物とセットになって売られているものがあります。地上権の場合、土地を借りるというよりも、買うという意味合いが強いようです。
また、借地権には、大きく分けて3つの種類があるので解説します。

<①旧借地権>
1992年に定期借地権ができる前に契約が結ばれている借地契約のことです。借地契約の更新を続けることで、半永久的に借りることができます。存続期間の定めが無い場合は、建物が古くなり朽廃すると、借地権が自動的に消滅します。

<②普通借地権>
平成4年8月に新しく制定された「借地借家法」で定める、借地権の一つが、普通借地権。契約更新を前提としているので、正当な理由がない限り、契約を更新しなくてはなりません。
借地権の存続期間は30年、1回目の更新後の期間は20年で、それ以降は10年と短くなって行きます。

<③定期借地権>
借地契約に更新がないので、期間を満了したら、土地を地主に返さなければならない借地権のことです。戸建てでは、存続期間が50年以上とする「一般定期借地権」のことが多いようです。


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■借地権付き建物のメリット&デメリット

<借地権付き建物のメリット>
・同じ立地でも、借地権付き建物の方が価格が安い。借地権付き建物の方が、土地を購入する費用の6〜8割くらいの価格で販売されていることが多いようです。
・土地を購入することで課税される、不動産取得税や、固定資産税、都市計画税などの税金がかからない。
・土地が立地条件や利便性のよい場所にあることが多い
戸建ての場合、土地の取得にかかる費用も抑えられて、土地購入後にかかる税金の心配もあまりないので、やはりお金に関して、とてもメリットがあるようですね♪


<借地権付き建物のデメリット>
・毎月地主に支払う必要のある「地代」がかかる
・借地権付き建物は、他人の土地の上に建物を建てているということもあり、所有権の場合と比べると、銀行の担保評価がとても低くなる傾向にあります。そのため、銀行の融資を受けにくく、場合によっては、融資自体が受けられないケースもあるようです。
・リフォームをする時は、地主の許可が必要なことが多い。
・借地権は売却するのが難しいことも。


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■借地権付き戸建の特徴と売却するときの注意点

借地権付きの戸建ては、基本的には自由に建物を利用する権利がありますが、他人が所有している土地の上に建物があるので、やはり制約もあります。

・地主の承諾を得ないと売却できない
・地主が代わると地代が上がることもある
・売却時に希望していた金額にならないことも

ただし、上の章でも解説した通り、固定資産税と都市計画税が免除になるというメリットがあるのは嬉しいところ。

<売却の2つの注意点>
一つ目は、地主の許可を得てから売却の手続きを進める必要があること。
二つ目は、売却時にかかる費用をしっかり確認すること。
建物を売却するということは、借地権も一緒に売却することになります。借地権価格の10%となる承諾料(名義書き換え料)が必要になります。

売却する時は、地主の承諾を得たり、地主との関係性が大事になってきますが、建物の利用に関する権利は借地人が持っているので、地主の承諾を必要とすることに納得いかない方もいるかもしれません。
そんな時は、「借地非訟手続」と言う、裁判所が地主の代わりに承諾を与えてくれる手続もあります。

裁判所は、地代の支払い能力、借地についてのこれまでの扱い、借地権の売却に関する必要性や事情などを考慮して承諾を出すかどうか決めます。



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■都内にある借地権付き戸建て

憧れの東京23区内も借地権付き戸建てなら、手が届くかもしれませんよ♪

品川区にある、「整形地に佇む延床120平米超の旧法借地権新築戸建」をご紹介します。
こちらは、安心して長く住むことができる旧法借地権の物件です。日当たりも良く開放感のある気持ちのよい戸建てですよ。

住所:東京都品川区大井4
間取り:3LDK+S(納戸)〜4LDK
完成時期(築年月):2018年5月中旬
土地面積:74.87m2〜78.45m2(実測)
建物面積:124.01m2〜125.22m2
交通:JR京浜東北線「大井町」歩10分/りんかい線「大井町」歩10分/東急大井町線「大井町」歩10分





今まで聞いたことはあるけど、よく分からないという方も多かった「借地権付き」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。都内でもそういった物件はあるので、憧れの一軒家に住めるチャンスかもしれませんよ。借地権が設定されている物件には、メリットだけでなく、デメリットもあるので、ぜひこちらの記事を参考に、検討してみてくださいね♪